死神少女

「あんさ、キミは・・・」
「神山祐乃よ」
「・・・いっつもここの金網破ってる子だろ」
「えぇ、そうよ」
 
 はぁ、とあきれ返った顔。

 ユウの浮かべる表情がいちいち兄さんを思い出させる。

 半分捨てた感情が、少し震えた気がした。

「・・・ったく・・・俺が毎日妨害してるっつーのに・・・」
「はい?」
「だから、いきなり死にたくなくなったりするのは俺のおかげなの!」
「・・・」

 おせっかいな死神だ。

 本当に、おせっかい。

 私が死にたくなくなるなんて、兄さんが戻ってくるってなったときだけだろう。

「俺、毎回止めるのちょっと面倒くさいんだけど・・・」
「だったら、いい方法があります」
「ん?」
「私の家にすめばいいんですよ」

 ユウの顔が硬直した。
< 8 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop