最後のラブレター
「リオナさん、
 指名入りました!
 お願いしまーす」




『指名?』




スーツを来た
ボーイの言葉に
ア然とする。




「おっ!
 リオナ初指名じゃん!
 頑張れよっ」




ボーイの後ろから
嬉しそうな顔を
覗かせた店長に
あたしは小さく頷いた。




あたしは今、歌舞伎町ほど
広くもないとある街の
キャバクラ《ジュエル》で
働いている。




ここはまるで夢の世界。




寝静まる事を
知らない街。




何よりこの街は
ユキ姉のいない寂しさを
紛らわせてくれた。
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