赫に染まる
――去年女子生徒が占いに行ったまま行方不明になっている。
キサラと同じ高校の2年生だったその子は以前から夜遊びや家出をしているという噂があった。
だが一年前から度々夜中にSangーDamに出入りしている姿を目撃された後、行方がわからなくなったらしい。
警察はただの家出だと判断し、捜索をやめた。
学校ではSangーDamにいまでもいるんじゃないかという噂が流れている。
そんなことがあり、ここ一年SangーDamの客足は減り、占いに行った者は一目置かれる存在となっていた。
「よし」
のぞみは小さく息を吐き扉に手をかけた。
キィ、とドアが泣き、同時にドアベルが鳴る。
薄暗い店内には幾つものキャンドルが灯りを作っていて、随所に薔薇が飾られてあった。
手をつなぎ緊張の面持ちで入店したのぞみとキサラはゆっくりと奥へ足を運び進める。
だんだんと身を寄せ合って、いつしか二人は抱き合っていた。
「いらっしゃい」
「きゃあ!!!!」
しゃがれた声が聞こえたのと、二人の悲鳴はほとんど同時だった。
キサラと同じ高校の2年生だったその子は以前から夜遊びや家出をしているという噂があった。
だが一年前から度々夜中にSangーDamに出入りしている姿を目撃された後、行方がわからなくなったらしい。
警察はただの家出だと判断し、捜索をやめた。
学校ではSangーDamにいまでもいるんじゃないかという噂が流れている。
そんなことがあり、ここ一年SangーDamの客足は減り、占いに行った者は一目置かれる存在となっていた。
「よし」
のぞみは小さく息を吐き扉に手をかけた。
キィ、とドアが泣き、同時にドアベルが鳴る。
薄暗い店内には幾つものキャンドルが灯りを作っていて、随所に薔薇が飾られてあった。
手をつなぎ緊張の面持ちで入店したのぞみとキサラはゆっくりと奥へ足を運び進める。
だんだんと身を寄せ合って、いつしか二人は抱き合っていた。
「いらっしゃい」
「きゃあ!!!!」
しゃがれた声が聞こえたのと、二人の悲鳴はほとんど同時だった。