妖恋華
そういえば、さっきの話の続き―――
しかし、今は食事中――ぺちゃくちゃと喋るのはあまり好ましくない
ちらりと青に視線を向ける
じーっと向けられる視線に青は居心地の悪さを露わに乙姫へ視線を向け、口にあるものをしっかりと飲み込んでから口を開いた
「………なんだ」
「え、いや……なんでも」
今度は青が怪訝そうに乙姫を見つめる
その二人を見て、虎太郎はにんまりと笑みを浮かべた
「二人とも仲良くなっちゃってー!羨ましいなぁ〜」
虎太郎の言葉に二人は“なっ!?”と声を揃えて虎太郎を見る
「別にそんなことになった覚えはない」
「え?私、少しは仲良くなれたと思ったのに!」
「言ったはずだ。俺はお前を“巫”と認めていないと」
「だから、その“かんなぎ”って何?」
「知ってどうする」
二人の言い合いが白熱しようか、というときに虎太郎が“はいはい喧嘩はやめようねー”と手を叩いた
「乙姫ちゃんも青ちゃんも、さっきまでは仲がよかったのにどうしたの〜?」
「元はといえば、お前が変なこと言うからだろ…」
青は疲れたように箸を置いた
彼の食器は既に空になっており、片付けようと重ねだす
それを見た虎太郎も自分の食器を重ねだした