妖恋華
「血?」
「そう。青ちゃんは龍と人の血を継いでる。血が安定しない分、本能のコントロールが難しい。特に霊力の高い血は、鼻の利くものには刺激が強い」
「龍と人………。虎太郎く、先輩は?」
「僕は白虎の…。だけど純血だから、その辺のコントロールはしやすい。純血でも低俗なヤツはいるけどね。純血でもそんななのに…青ちゃんはちゃんとコントロールしてる。」
正直、そんなことをすぐに理解できる程、理解能力が高いわけじゃない。
「なんで、そんな話を」
私に―――?
「…君を守る側として君にも僕らのことを知ってほしかった。っていうのもあるんだけど…」
目を閉じて考える虎太郎は複雑な何かが混ざり合ったような表情を浮かべている
「僕はいいんだ…。ただ、青ちゃんは完璧な龍でも人間でもない―――どちら側にも味方はいない。だから…青ちゃんが苦しんでるときは助けてあげてほしい。君が味方になってあげてほしい」
“青ちゃん、あれでも寂しがり屋だから”
そう言う虎太郎自身がどこか寂しそうに笑った