恋愛短編集 2
「おいっ!これやったの誰だ?」
やばいっ。部長の怒鳴り声。
部長の手を見ると見覚えのある資料の束。
「すみません、部長!私です。」
「お前、こんなの猿でもできるぞ」
さ、猿…………。
「はい…………。」
「お前今日も残業な。」
ネクタイを直しながら、意地が悪そうな顔をして言った。
「え?今日も?」
「ぁん?文句あんのか?」
無意識の内に漏らしてしまった心の声。
それに部長は、隙もみせず、眉間にしわを寄せて突っ込みを入れる。
「…………ないです。」