夏の微熱
ハァ…ハァ…いたっ!

2人並んで歩く後ろ姿。
もう、校門出るとこだよ!




「遠藤くんっ!」


立ち止まって、
二宮くんと大野くんが、
同時に振り返った。


「遠藤くんっ///」

ハァ…ハァ…必死に呼吸を整える。


「冴島さん…?」


不思議そうな、遠藤くんの顔。


「ハァ…あのね!
あの時は、緊張してたから!」


クローバー模様の封筒。
私のお気に入りの柄の封筒。
…遠藤くんに差し出す。


「じゃ!
…そうゆう事だから!」


もう、恥ずかしくって。
無理やり渡すと、
校舎に向かって、
勢い良く逃げるように走った。





『遠藤くんの好きなとこ』

たくさん、たくさん
書いたんだ。

あの時答えたかった事、全部。


ちょっとズルイけど。
とりあえず、渡せて良かったよ
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