夏の微熱
6月、雨の季節。

だけど、今日はいい天気で。

私はいつもの、
軽い足取りで教室に向かう。


朝のシンとした教室。

独特の空気感が好きで、
毎日、1番乗りで来ていた。


扉に手を掛けようとして‥‥
いつもと違う気配を感じる。


誰か‥‥いる?


そっと、少しだけ開いた扉に力を入れる。


軋んだ木の音が響いて。

目の前の人が、
……体を起こす。
< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop