夏の微熱
『え…ん…どうくん?』

ドクドク…
鼓動が激しく鳴り出す。


「ああ…冴島さん?」


「は…早いんだね?ビックリしちゃった///」


声ひっくり返ったよ。


「……いつも、早いの?」

「…うん…学校好きだから…」

「…好き?…変わってんなぁ~」


(ふふっ)と遠藤くんが笑うから、私もつられて‥‥笑った。


遠藤くんがいるから、
学校好きなんだよ?


だけど、遠藤くんは…

そのまま、また机に伏せようとしていて‥‥

私は、咄嗟に呼び起こして
しまった。


「あのっ!遠藤くんっ!」

「…なに?」


遠藤くんは、顔だけ起こして、私を見ている。


金縛りにでもあったみたいに、固まってしまう。

緊張しすぎて、
体中の血液が上昇する。


こんなシチュエーション、もう2度とないかも。

神さまがくれた、
チャンスなんだよ!!


根拠のない、何かが、
私の気持ちを後押しする。
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