Two hearts


大ちゃんがそう言った瞬間、
頭の中が真っ白になった。



「…え?」

「りおなじゃなきゃ、無理。」


そう言って大ちゃんは、
あたしの体を自分のベッドへと
押し倒した。


「ひゃっ…、大ちゃん?」

「俺もう無理だ、ごめん。」


優しく顎をもたれて、



あたしと大ちゃんの唇が
…重なった。


あたしがした、触れるような
キスじゃなくてもっと…、
激しくて噛み付くようなキス。


「んっ…、ふっ…大ちゃっ」


そのまま大ちゃんの手は、
あたしの着ているブラウスの
ボタンへと伸びていった。

ぷちん、ぷちん、ぼたんが
ひとつ、ふたつ、みっつ。
外されてゆく。

それでも抵抗できない、
しようと思わない。




それは…なんで?




大ちゃんの行為は止まらなくて、
あたしの口内は大ちゃんの
舌で犯されていた。

壊れ物を扱うように触れる、
大ちゃんの優しい愛撫。




抵抗なんてしない、
したくない、それでも、
抵抗しなくちゃいけない。

だって私達は、“兄妹”だから。

< 10 / 11 >

この作品をシェア

pagetop