木苺の棘
たまき先輩・・・

どうか
この私を殺してください。

あなたになら
殺されてもいい・・・

いつものように過去を
思い出し、涙を流して
震える私の体を、巽は
強く抱きしめる。

「アリス、いつか
 交わした約束どおり
 
 この俺が
 お前を殺してやる
 
 苦しみから救ってやる
 
 だから、今は眠れ
 眠るんだ」

私の頭を、大きな手で
優しく撫でてくれる貴方

その胸で、私は眠る・・・

深く・・・深く・・・

先輩・・・
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