木苺の棘
泣き顔を見せないように俯く
私に貴方は歩み寄り、その胸
に優しく抱きしめてくれた。

私に伝わる、先輩の緊張

体温・・・

二人は、全てを忘れて
見詰め合う。

貴方の甘く蕩けるような瞳に
私の体の力が、どんどん
抜けていく。

貴方への愛情を隠す為に
必死に頑なに鎖していた
心が少しずつ開いていく。

触れてはいけない唇に
触れてしまいそうになる。

際どい、ギリギリのライン。

「アリス
 もう、逃げないで」

「たまき、・・・?」

貴方は、私に口づけをくれた。
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