木苺の棘
「アリス、ほら
 もう帰った方がいい」

彼女に触れた手で

私に触れる・・・。

私は、ボソっと吐き捨てる
ように言う。

「触らんといて」

「アリス・・・?」

どうして、誰も彼も皆
私じゃ、駄目なの?

私の、心の叫びは
怒りになり爆発する。

私は、巽の頬を思いっきり
引っ叩いた。

「いい加減にせえって
 これ全部、アンタが
 悪いんちゃうん?
 
 何も言わんと人の前から
 消えて、今度はのうのう
 と他の女の肩抱いて
 現われる

 いい加減にしてほしいの
 は、こっちやわ」
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