木苺の棘
「終わりや言うてくれな
 先に進まれへんやんか・・」

涙が、込み上げてきた。

何か、もうよう分からへん・・

「アリス、俺が悪かった」

取り乱して泣いている私を
抱きしめる貴方から
いつもの甘い香りが漂う・・・

大好きな香りに私の気持ちは
スーッと落ち着いて行く。

たまき先輩の事も全て
何もかも忘れていく・・・・・

「タツミ
 私を捨てるんやったら
 約束どおり
 私を殺してからにして」

「ああ」

半分八つ当たりで喧嘩をして
しまった彼女には、すごく
悪い事をしたと思い、反省は
しているけれど

私は、彼女から巽の愛を
取り戻せて、ホッとしていた
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