木苺の棘
あの時、私達は繋ぐ手から
お互いに、目の前の彼に
惹かれている事を感じ取った。

小学生の頃から、アナタを
一番近くで見てきたのは
ワタシ・・・

アナタの気持ち

ワタシには分かるよ

八重と繋ぐ手が放れる・・・

「タマキ、おっす
 何、お前の知り合い?」

「いや、違う」

「君ら、一年?」

彼の隣に並んで立つ男子生徒。

黒髪に、真面目な装いの彼とは
正反対の、明るい色髪を女子の
ように上手にピンで束ね
制服を崩して着用している

見るからに不良っぽい
彼の親友の登場に私と八重は
驚き、放れた手をもう一度繋ぐ
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