木苺の棘
先輩の話では、八重は今朝から
体調が悪く、熱もあり、外出が
できなくなってしまったらしく

先輩に連絡をして、公演を
楽しみにしていた私の為に
付き合ってあげてほしいと
お願いをしてくれたようだった

八重と鑑賞するはずだった
舞台・・・

たまき先輩と一緒に観るの?

貴方は、腕時計を見た。

「公演、何時から
 まだ間に合うか?」

「後、15分ぐらいで
 始まります」

「そうか、アリス急ごう
 途中からになるかも
 ・・・
 いいよな?」

「えっ、はい」

貴方の手が私の手を掴む。

私達は、手を繋ぎ
明るい街を駆け抜けた。
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