木苺の棘
もちろん、舞台の躍動感に
興奮していたには
違いないけれど

大好きな、たまき先輩と
二人きり・・・

それが堪らなく、嬉しかった。

風邪を引いてしまった八重には
悪いけれど、ほんの少しだけ

この時間がもっと続けばいいと
終わらないでほしいと、そう
願う私がいた。

帰り道・・・

「舞台って、案外
 面白いな?」

「はい、すごい
 迫力でしたね?」

「アリス、喉、渇かないか?
 あそこで、何か飲もう」

貴方が指差した
ファーストフード店に
私達は入る。
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