木苺の棘
「はい・・・」

「チアキ
 お前の登場に
 彼女達、引いてる」

「えっ、何
 そんなに怖がらなくていいよ
 幾ら、この俺様でも
 青い実を取って食ったり
 しないから安心して」

そう言った後、彼は私との
距離を縮めて耳元で囁いた。

「熟したら
 一度、お願いしていい?」

制服を着ているのに、目の前
の彼は、怖いぐらい男で
私を見つめる瞳に動揺する。

何が、熟すの・・・?

彼の意味不明な言葉

その意味を考える私に

届く声・・・

「深く、考えない方がいい
 意味なんてねえから」
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