木苺の棘
私は、八重と話している間
頭のどこかで、先輩の
携帯電話に自分の耳や頬が
当たらないかと、その事が
気になっていた。

貴方がさっき触れた場所に
触れるかもしれない。

ドキドキドキドキ・・・

その時、八重は
電話越しに問いかける。

「今、二人は
 どこにいるの?」

動揺する私・・・

「劇を見たら、その
 ・・・喉が渇いて
 今は・・・
 ジュースを飲んでいるの」

「そう、アリス
 
 レンと一緒で
 退屈じゃない?
 
 彼、話さないから・・・」
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