木苺の棘
私は、恥ずかしさで真赤に
なる熱い頬と言わなければ
良かったとの後悔に

押し潰されそうな胸を抱えて
その場所を後にした。

『お前の願いを・・・
 聞いてやることが
 できない』

たまき先輩の言葉

苦しそうな表情

大好きな人にあんなにも
辛い顔をさせてしまった。

電車に乗るとすぐ、涙が
溢れて来た。

私は、ハンカチで鼻と唇を
押さえて泣いた。

鼻を啜る音、泣き声が
漏れないように・・・
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