木苺の棘
『アリスが好きなのは
 俺じゃない、お前だよ』

『お願い
 お願いだから
 私を好きになってほしい』

雨が、あなたを濡らす・・・

貴女は、何を言っても
無反応で、いつもと様子が
違う俺に戸惑っている。

「・・・たまき先輩?」

お前は、俺を見つめる。

どんどん、潤んでいく瞳

俺だけを見つめる

その瞳・・・・・・

俺を好きだと語りかける。

俺を愛していると・・・

お前の瞳から一粒の
涙が零れた。

友達の恋人を想い続ける
お前の張り裂けそうな
心の内が、俺に見えた。
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