木苺の棘
そして、微かに
足音が聞こえる。

きっと、たまき先輩が
私の後ろを付いて来て
いるのだろう・・・

どうして・・・?

私は、一度も振り返る事なく
職場である店内へ、男性と
共に入って行く。

閉まるドア・・・

私の職業が、水商売だと
先輩に知られてしまった。

『・・・
 夢は、どうした?』

たまき先輩は、いつか話した
私の夢を覚えていてくれた。

『嘘、つくな』

私の嘘を見抜いた貴方は
私の仕事を、もしかしたら
知っていた・・・?
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