木苺の棘
仕事を終えて、リラさんと
お店を出る私。

「今夜は、お酒が美味しくて
 飲みすぎちゃったわ」

今夜は急遽、リラさんの常連の
お客様の快気祝いを兼ねた席が
設けられて、私達は、相当な量
のお酒を飲んでいた。

赤い頬、熱い体に夜風が
心地よい。

「リラさん
 上野さんの快気祝い
 楽しかったですね?」

「ええ、彼とは
 長い付き合いだから
 病気が完治して
 無事に退院できた事
 心から嬉しいわ」

こんなにも、素敵に微笑む
リラさんの笑顔を見るのは
久しぶりで、私まで嬉しくなる

話をしている、私達の元に
歩み寄る足音

呼び止める低い声

「アリス」
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