木苺の棘
貴方が、校舎内へと入る
後姿を私達は、ただ
黙ったまま、立ち止まり
見つめ続けていた。

貴方の姿が見えなくなるのと
同時に大きな声が校庭に響く。

大興奮の、私と八重・・・

「ヤエ、さっきの人
 超・かっこよくない?」

「うん、私
 外国の人かと思ったよ」

「私も、思ったぁ
 女の人にも見えなかった?」
 
「見えた、見えた
 でも、化粧してる女の人
 なんかよりも、数倍も
 綺麗な人だったね?」

「うん、うん
 タマキ レン・・・
 
 名前まで、素敵だね?」
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