木苺の棘
貴方は、頷く・・・

「ああ、今夜
 双方の連中が集まり
 話し合いの場を持つ事
 になった
 
 とりあえず、そこで
 今回の騒動は終わる」

やっと、終わる・・・

ほっとした、私の瞳に
溢れる涙。

「よかったぁ
 貴方が無事で・・・」

巽は、私の頬に手を翳し
涙が溢れる下瞼に、親指を
優しく滑らせて、私の涙を
拭ってくれた。

「ごめんな、アリス
 
 もう心配はいらない」

私は、黙ったまま頷いた。

私を抱き寄せる貴方の声

聞こえる。
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