木苺の棘
翌朝・・・

私達は、前後左右を見渡して
貴方の姿を探した。

「ヤエ、あそこ」

私が指差した方向には
たまき先輩・・・

貴方の傍まで、私達は
小走りで近寄る。

少し前を歩く、先輩の後姿。

先輩に気づかれないように
小声で話す。

「ヤエ、心の中で
 三つ数えて
 一緒に言うよ」

「うん」

イチ・ニ・サン

「たまき先輩
 おはようございます」

二つの声・・・

大きな声・・・
< 22 / 674 >

この作品をシェア

pagetop