木苺の棘
私は、貴方に語りかける。

「タツミ

 いつかの約束どおりに
 私を殺して
 
 そして、この苦しみから
 今すぐ、私を救って

 お願い・・・
 
 私、今、この時が

 一番、苦しい・・・
 
 苦しくて堪らへん」

眠ったままの貴方

何も話さない貴方

何も話さない事が
歯痒い・・・

『ごめんな、アリス』

もう、限界・・・

「タツミ
 
 いい加減に
 目覚まして
 
 お願いやから
 
 お願い・・・」

こんなにも願っているのに
貴方は目覚めない。
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