木苺の棘

愛の歌

賑やかな街並みを私は
スーツを着た男性と
腕を組み歩く。

「そうだ、タナカさん
 少しだけドラックストアー
 に寄ってもらっても
 いいですか?

 あそこ・・・」

私が指差す方向には
ドラックストアー。

「薬局?
 何、モカちゃん
 風邪でも引いてるの?」

「いえっ、お気に入りの
 口紅がさっき
 折れてしまって・・・」

「ああ、そうなの
 いいよ」

耳を劈(つんざ)く、爆音に
集まる人の山。

「モカちゃん
 あそこ、人だかりが
 できてる
 
 街頭ライブか何かだね?」

私は、もう一度出会う。
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