木苺の棘
ここは、従業員室。

「ママ、何か?」

「煙草、吸うでしょう?」

私の前に差し出された
煙草ケース。

「頂きます」

私は、煙草を一本貰って
唇に銜えた。

「はい、どうぞ」

ママが火をつけたライターに
煙草を押し付ける。

「ママ、ありがとう」

吐き出される煙草の煙・・・

「モカちゃん、あなた
 彼の事が好きなの?」

「いえっ・・・違います」

「そう・・・」
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