木苺の棘
「・・・
 あなたが彼の事を
 本気で愛しているのなら
 私は、何も言わないわ
 
 この店では常識ある範囲で
 あくまでも、恋愛は自由
 だから・・・
 
 でも、タツミさんを忘れる為
 に、その身を安売りしている
 なら止めなさい
 
 自分が惨めになるだけよ」

「はい、分かっています」
 
私の瞳から、溢れる涙・・・

「モカちゃん、あなたは
 まだ若い
 これから、タツミさんと
 同じくらい愛する人に
 出会えるはず・・・

 女なら、愛する男にだけ
 抱かれなさい」

「・・・はい」

ママは、煙草を灰皿に
押し当てる。
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