木苺の棘
貴方を、待ち続ける。

扉が開くと、そこに貴方が
立っていた。

「アリス、帰ろう」

差し出した貴方の手に
私は触れる。

もう、私に迷いは無い。

手を繋いで歩く、二人。

「レン、打ち上げは?」

「今日は、パス」

「レン・・・」

呼び止める声に立ち止まる
事無く、私の手を強く握り
貴方は、先を急ぐ。

「先輩、いいの?」

「ああ・・・
 裏にタクシーを停めてある
 アリス
 今夜は一緒に過ごせる?」
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