木苺の棘
私は、露になる胸元を
隠す為に両腕をクロスさせる

「その方が、エッチだよ」

貴方の口からエッチなんて
言葉・・・

でも、少しも厭らしく
感じない。

それは、貴方の低い声が
あまりにも心地よい響き
だから・・・

浴室のタイルを打ちつける
シャワーの水音に紛れて
貴方の、甘い声が聞こえる。

「アリス、見せて?」

私は深呼吸をして、両手を
下ろし、右手で貴方の
黒いシャツに触れる。

そして、貴方の胸のボタン
を外す。

一つ、二つ、三つ・・・
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