木苺の棘
貴方は、前屈みになり
黒いシャツを頭から
脱ぎ捨てた。

私の瞳に映る、貴方の姿

私は、驚きを隠せない。

まさか、どうして

たまき先輩・・・

貴方にまで、彫り物が・・・

貴方の右側、胸元から
肩にかけて、大きな
赤龍が棲む。

そして、浴槽の鏡に映る
貴方の後方、右側の
背中にかけて龍は蠢く。

そして、私は気づく・・・

龍の傍で漂う
一頭の白い蝶。

貴方の白い肌に
血のように赤い龍と
キュートな白い蝶が
寄り添って棲む姿は

とてもロマンティックで
私は目を離せない。
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