木苺の棘
真っ暗な室内で、一睡も
できないまま、私は
朝を待つ。

それは、きっと

大好きな先輩と結ばれたと
いう事実・・・

貴方に抱かれた余韻に
私の興奮が冷めないから。

そして、もうひとつ

八重に対する罪悪感から。

貴女が、心から愛する人を
私は本当に奪ってしまった。

ねぇ、八重・・・

貴女は、今
この私に嫉妬してる・・・?

少し開いた窓から室内へ
吹き抜ける風は、雨の香り
を運ぶ。

八重が、泣いてる・・・
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