木苺の棘
すると、音楽の途中で
アナウンスが流れる。

『危険と判断致しましたので
 中止とさせて頂きます』

何だぁ、がっかり・・・

もう少し、貴方の姿を

貴方の声を

聞いていたかったなぁ。

「行こうか

 店に遅れるよ?」

「はい」

同伴出勤・・・

そう、この場所には
夜の街に生きる蝶が
たくさん集まる。

楽しく賑やかで

華やかで

煌びやかな世界。

私は、この泡沫の世界で
生きる。

泡になるその日まで・・・
< 31 / 674 >

この作品をシェア

pagetop