木苺の棘
『・・・
 先輩、アリスが
 好きなのはチアキ先輩だよ
  
 アリスを想っても辛いだけ
 私を愛して・・・』

「貴方は、涙を流して
 愛を告げる、私に
 約束してくれたでしょう?」

流れても流れても、八重の
涙はその瞳に溢れていく。

『ヤエ、泣かないで
 泣かないでくれ
 
 お前の気持ちは分かったから
 俺は、お前を愛するよ』

「私を愛するよ
 貴方は、そう
 約束してくれた・・・

 貴方がアリスへの想いを
 止らないなら
 私が止めてみせる
 
 貴方を絶対
 アリスには渡さない」

そう言って、八重は
俺の部屋を出て行った。
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