木苺の棘
八重は、俺と別れる事を
拒み、その後、俺の声は
彼女に届く事は無かった。

「ヤエ、今日
 アリスと話したんだ
 
 俺達は・・・」

「レン
 私、別れないから」

「ヤエ、もうやめよう
 俺達は終わりだ
 
 お前が何と言おうと
 俺はアリスと・・・」

「もう、レンの
 好きにすればいいよ・・・
 私、疲れた」

それが、八重が俺に掛けた
最後の言葉だった。

八重の言葉にホッとした
俺は、気づかなかった。

八重の心が脆く壊れ
悲鳴を上げている事に・・・
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