木苺の棘
「アリス・・・?」

「たまき先輩
 
 貴方に触れなきゃ
 良かった」

触れなければ、気づく事も
無かった。

たまき先輩に
ずっと、憧れていられた。

たまき先輩を
ずっと、好きでいられた。

漣は、私を抱き締める。

「言うなよ
 
 ・・・言わないでくれ」

昨夜、二人の間に
確かに愛は存在した。

あの、一夜だけは真実・・・

夢幻・・・・・・

「レン、ごめんなさい
 ごめんね」

私の頬を流れる涙・・・

私達は、一緒にはいられない。

私達は、結ばれない・・・
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