木苺の棘
やっぱり
貴方が最高の男だったよ。

私は帰宅すると毎夜
夜空を見上げる。

そして、巽に今日
起こった出来事を伝える。

そして目を閉じ
耳を澄ましていると

遠く、微かに・・・

『アリス
 がんばったな』

そう、巽の声が
聞こえたような気がした。

それはきっと、風の音・・・

だけど、私には巽・・・
貴方の声に聞こえるよ。

私は今も、貴方を愛してる。

私の部屋のドアが
開け放たれる・・・
< 355 / 674 >

この作品をシェア

pagetop