木苺の棘
「さっきの映画のスポンサーが
 この近くで飲んでいるらしく
 出演者には顔を出すようにと
 ・・・困ったものです」

「断われる状態じゃない?」

「はい」

「分かったよ、すぐに
 帰るとだけ伝えてくれ」

しばらく立って、漣の
携帯電話の受信音が鳴る。

「・・・チアキからだ?」

「チアキさん、何て?」

「うん
 撮影は、順調か?
 だってさ」

漣は、撮影が無事に終えた
件と、これからスポンサーに
逢いに行く事になったと件を
チアキに、メールで知らせた

すると今度は、着信音が鳴る。

「もしもし?」
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