木苺の棘
「ありがとう、ヤエ
 私、たいせつにするね
 絶対、なくさないよ」

私、大切にする・・・

絶対、失くさない・・・

八重は、取って置きの
微笑を私に見せてくれた。

「アリス、行こう」

私へと差し出された八重の
小さな手に、今の私の手が
触れた。

目覚めた私は、隣で眠る
漣の手を握り締めた。

「私、大切にするから・・・」

漣の寝顔を見つめて溢れる涙。

漣の瞳が開く・・・

寝ぼけ眼で、私を見つめる
貴方は驚いている。

「アリス、どうした
 怖い夢、みたの?」

私は、貴方の胸に顔を
埋め、甘える。
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