木苺の棘
「そうだよ、レン
 
 何もかもを忘れる程
 私・・・
 
 貴方に夢中になったの」
 
「正解」

「ねぇ、レン・・・」

漣の唇に私の指先が触れる。

私は、潤んだ瞳で漣を見つめ
口づけを強請(せが)む。

貴方の手が、私の肩に触れる

閉じる瞼・・・

触れそうで触れない唇。

口づけを、待ちわびる私。

じれったい・・・

「キスして・・・」

強請(ねだ)る、私。

貴方の唇が、触れた。
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