木苺の棘
「郵便は、無し」

あの時、貴方へと
送り届けた小包。

貴方の元に、ちゃんと
届いていた・・・

「今度、手紙くれるなら
 もっと愛のある言葉で
 書いてよ

 色っぽいのとか
 ちょうだい」

そう言って、貴方は微笑む。

「意地悪・・・」

貴方は、笑う。

愛のある言葉・・・

貴方が、そう言うのなら
私にだって、考えがあるよ。

今度、貴方に手紙を書く時は
愛してるの文字で一面を
埋め尽くしてあげる。

余白がない程、ぎっしりと。

貴方は、今度は何て
言うかしら?

「何、笑ってる?」

「何でもないよ」
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