木苺の棘
貴方の右手が私の左頬に
貴方の左手が私の右頬に
触れる。

固定されて動けない
私の顔。

その唇に、貴方の唇が
触れる・・・?

「レン、だめ・・・」

貴方の唇が触れた。

触れ合う唇は、放れる事無く
厭らしく、激しさを増す。

漏れる吐息・・・苦しい。

離れる唇・・・

私はまた、辺りを見渡す。

「レンの、ばか
 
 こんな場所で
 キスしたりして
 知らないよ
 
 テレビがレンの話題で
 持切りになっても、私
 知らないから・・・

 レン、貴方、いったい
 何を考えてるの?」
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