木苺の棘
「・・・
 そうだ今、お茶淹れるね
 さあ、こっちに座って
 待ってて・・・」

ソファーに脱ぎ捨てられた
洋服に漣が触れようとした。

「駄目、触っちゃ」

私は、慌てて脱いだ洋服を
集めて脱衣所へ持っていく。

漣の笑う声が、部屋中に響く

手鏡に映るヌードの唇に
赤い紅で上手に色をつけて彩る
私を貴方は見つめている。

手鏡を伏せる、私。

「できた
 
 レン、お待たせ

 レン?」

漣を見つめると、貴方は
甘い瞳で私を誘う。

「アリス、おいで」
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