木苺の棘
貴方と寄り添って歩き

貴方と寄り添って眠る

こうして、漣は私の仕事が
休みの日には、私が行きたい
場所へと連れ出してくれ

私が仕事の日には、職場近くの
この居酒屋で待ち合わせをする

「レン、お待たせ
 ごめんね」

ほろ酔いの貴方に肩を抱かれて
私達は、居酒屋を出て私の部屋
へと向かう。

不安な気持ちなど感じる暇も
ない程、充実した日々を
私は過ごしていた。

とても幸せな日々を・・・

でも、これは全て
貴方が無理をして、私の為に
時間を作り、私に合わせて
くれていたから成り立っていた

私はその事を分かっていながら
貴方の傍に居たくて気づかない
ふりを続ける。
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