木苺の棘
「今は・・・無理だけど
 落ち着いたら
 必ず、お前に逢いに行く
 
 赦されなくてもいい
 お前が居れば
 
 それでいい」

「レン・・・」

「アリス、しばらくは
 逢えないけど、ごめんな」

「ううん
 いつか逢える為なら
 今は我慢できるよ

 私の事は心配しないで
 あの写真では、誰も私が
 貴方の彼女だとは分からない
 誰も・・・知らない

 貴方は、貴方の事を
 バンドの事を一番に考えて
 
 私は大丈夫だから・・・」

アリスは、テーブルの上の
本を閉じた。

「アリス?」
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