木苺の棘
「違うよね・・・?
 
 きっと
 もっと、加熱する

 それなら、本当の事
 言わなくていいよ」

「アリス・・・」

「だって、早く
 レンに逢いたいもん」

漣の耳に届く、ありすの声。
 
「レンに逢えるんやったら
 嘘でも何でもいい
 そう想うのは、あかん?」

私の声は、涙声になる。

貴方に、一日でも早く
逢いたいよ。

今までと変わる事なく
手を繋いで外出したり
人の目を気にせずに
笑い合いたいよ。

それは、きっともう
叶わないかもしれない。

この騒動が例え、早く
治まったとしても
以前のようには、いかない
かもしれない。
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