木苺の棘
「うん、待ってる」

切ろうと思っても
なかなか、切れない通話。

「レン
 ・・・愛してる」

貴方は、乞う。

愛の言葉を・・・

「アリス、もう一度
 方言で言ってみてよ?」

「レン
 ・・・愛しとうで」

「アリス
 ・・・あいしとう」

私の真似をして、方言を使う
貴方の愛の言葉は、私の胸に
重く響いた。

見なければいいのに
テレビを見てしまった
私は、やっぱり傷ついてた。

頬を伝う涙を、私は拭う。

真実は、二人だけの秘密。
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