木苺の棘
微笑んだ貴方は
消えてしまった。

「タツミ・・・」

夢の中、携帯電話の
着信音が響く。

この音は、夢じゃない・・・

目を覚ます私に聞こえる
着信音。

部屋中に、響き渡る音。

レンから・・・

「もしもし、レン?」

「やっと、繋がった・・・」

貴方の、ハァーと洩らす吐息
が電話越しに聞こえた。

「レン

 逢いたいよ」

「今、お前の元に
 向かってる」
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